不動産売却コラム

相続トラブルになる前に"今"できること

近年、空き家が全国的に増えてきて、さまざまな問題を引き起こしています。
この空き家問題の原因は、まずは高度成長期にたくさんの家が建てられたものの、所有者が亡くなったり、施設に入ったりすることで住む人がいなくなっていることが挙げられます。核家族化が進み、子どもの数が少なくなった今、これらの問題は決して他人事ではなく、皆さんの実家にも起こり得る話なのです。
相続に関する情報を、ほんの少し知っておくこと、先に準備をしておくことで、大きな問題に至らず済んだというケースをたくさん見てきました。皆さんが相続に直面する前に知っておいた方が良いこと、いざ相続をしなければならないときにどんな問題が起こるのかなど、知っておくと役立つ情報をお伝えします。

目次

①トラブルに発展しやすいパターンはコレ!

②空家トラブルの実例とリスク

③相続放棄すれば大丈夫?

④相続トラブルになる前に"今"できること



①相続の際にトラブルに発展しやすいパターンはコレ!

→実家が遠方にあり、兄弟姉妹が地元から離れて暮らしている
実家の近くに住んでいないと、住む人がいなくなった家を誰が管理するのかという問題が発生します。建物の管理はもちろん、庭の草木、固定資産税など、金銭的な負担も生じます。近くに住んでいる人にしわ寄せがおき、兄弟姉妹間での仲違いに発展することもあります。
→親が施設に入るかもしれない
病気や認知症などで、親が施設に入らなければならない場合、そのまま家に帰れず空き家になってしまうことがあります。この間も、身の回りの世話に加えて実家を管理する必要が生じ、トラブルになってしまうことがあるようです。

→兄弟姉妹の中で、自分一人が相続予定
きょうだいの中の誰か一人が相続した場合、公平な遺産分割ができずにトラブルになるケースがあります。実家だけが相続対象の場合は、物理的に分割はできないため、売却して兄弟姉妹で分配するということもありますが、立地や建物の老朽化などで、実際は売れないというパターンもあります。


②空き家トラブルの実例とリスク

これまで多くの空き家トラブルを見てきた中で、一番困るのは身内でもめることです。精神的な負担も大きく、話し合いがきちんとできないという場合もあります。そのままの状態が続いて、兄弟姉妹のうち誰かが亡くなり、相続人が子や孫にまで及んで、とうとう手が付けられないということも少なくありません。
トラブルに発展する典型的な例は、誰か一人に管理の負担がのしかかっている場合です。管理している方も歳をとり、草取りや庭木の手入れなどが十分にできなくなり、他の兄弟姉妹に相談しても自分たちは遠いのでどうしようもないと突き放され、これまで仲のよかった兄弟姉妹も疎遠になっていきます。
そこにお互いの配偶者が介入してくるとさらに話がこじれ、誰も管理しなくなり空き家として放置され、あっという間に老朽化が進んでしまうのです。



●道路に瓦が落ちてきたり、子どもが勝手に敷地内に入って遊んだりしてケガをしてしまう
●人に危害があった場合、所有者に損害賠償責任を問われることがある
●解体せざるを得ない状態になった場合、解体費用を誰が負担するかという問題まで発生する
 (解体後は、土地の固定資産税が約6倍に跳ね上がる)


③相続放棄すれば大丈夫?

相続財産には現金などプラスの財産以外に、借金などマイナスの財産や不要な不動産も含まれていることがあります。誰しもプラスの財産は相続しても、マイナスの財産は相続したくありません。しかしながら相続するにはプラス・マイナス両方の財産を相続(単純承認)しなくてはなりません。
一方相続放棄する場合も同様、全ての財産を放棄しなくてはならないため、借金や不要な不動産だけを放棄することはできません。また相続放棄は、相続があることを知ってから3カ月以内に家庭裁判所での手続きが必要となります。
したがって、「相続したくないものは放棄すればいいや」と考えていても実際はそう簡単にはいきません。特に誰も住まくなった実家や作り手のいない農地などは、管理や後々の相続問題などで苦労することが多いのが実状です。

④相続トラブルになる前に"今"できること

相続には、これまで述べてきた以外にも、さまざまなトラブルが発生することがあります。トラブルを起こさないためには、今後「実家」をどうするのかなどを家族が元気なうちに話しておくことが大切です。
将来施設に入ったり、認知症になったりして自己判断ができなくなることも考えられます。そうなると売買などの契約行為ができなくなるばかりか、話し合いすらできなくなる可能性があります。相続の話など不謹慎と感じる人も多いと思いますが、もしも介護が必要になったらという話から、お金のこと、実家の管理、相続の話題へと話を進めていくと意外とスムーズに話ができると思います。親としても子どもたちに迷惑をかけたり、もめたりしないよう話し合っておくことが、安心材料になると思います。
それでも何から始めればいいのか、どう切り出せばいいのか迷われる場合は、ぜひお気軽にご相談ください。相続コーティネート実務士が皆さまの悩みを一緒に解決していきます。

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